第2章 胸はずむ
「さっきの奏すごかった~!あんな作戦の方法があるんだって、勉強になったよ~。」
「でも、本当に梅雨ちゃんの言った通り相手の個性がわかってたから出来たことだしさ。透に褒められる様な事なんにもしてないよ。」
「でも、先入観からそのままに騙されていました。私もピンヒール何て物を戦闘で履くのは無謀だと、小馬鹿にしておりましたわ。」
「へへっ、そんな褒めないでよ〜。」
みんなに凄い凄いと言われて嬉しくないわけではない。すごく照れ臭くて思わず頭をかいてしまう。着替え終わったコスチュームをケースに戻入れ元の状態にする。コスチューム改良時期にあの靴も弄ろうかな〜。
着替え終わった私たち女子組は教室へと足を進めていた。女子の間だけでもあれが凄いとかこれが良いとか意見を出し合って向上心をくすぶっている。
「おい!爆豪!みんなで反省会しようぜ、先に帰っちまうのか?」
「うっせぇ!クソモブ共に構ってられるか!」
「ちょ、ちょっと〜。」
乱暴に教室のドアを開けさっさと帰って行ってしまう爆豪君。それを止める切島君と上鳴君が悲しそうだけど、今日の様子から見て、今彼を呼び止めても絶対に来てくれないだろうと思う。だってなんか抱えてるし、それを話してくれる程まだ仲良いわけじゃないし。
「おっ、女子達帰ってきた!んじゃ、爆豪と緑谷いねぇけど反省会始めるか!」
切島君がそう声をかければいくつかのグループに分かれて話し出した。私もどこかのグループに入りたいけど、どうしよう。
「原操!あのさ、お前の個性って具体的にどういう物なんだ?」
「あっ、それ俺も聞きたい!」
「俺も俺も!あ、俺瀬呂範太っていうの、よろしく。」
「う、うん。こちらこそ。」
切島君、上鳴君、瀬呂君が私の元へ来て話しかけてくれた。ちょうど今日の対戦相手だし話す相手とすればこの2人は欠かせないよね。