第2章 お前はエサだ。
『よ、宜しくお願いします。ロイドさん』
真白は新たなご主人様と共に頑張ろうと誓い、ロイドと名乗った男の手を握る。
が、
『ひゃあっ!』
彼の手は氷のように冷たかった。
(な、なんで!?)
ロイド
「あー、最近ご飯取ってないから低血糖で冷たいんだよね。驚かせてごめんね?」
自負して笑うロイドは表情こそは笑みだが急にキリッとした細長の紅い瞳で真白を見据えるように見る。
それは鷹のように鋭く獲物を見るかのような目だ。
だが、真白は母親譲りのウブ。
彼の変化に気付く筈もない。
『いえいえ! こちらこそいきなり離してすみません。ですが低血糖は身体にかなり悪いです。私が居る限り毎日三食美味しいご飯を提供させていただきますね』
その言葉にロイドの眉がピクッと動く。
(クスッ、毎日三食ーーね。)
その目はもう獲物を捕らえた目に変わる。