第2章 お前はエサだ。
(近っ! でも、かなり綺麗な人…)
そうすかさず思ってしまった真白だが、彼がここのご主人様なのだと悟る。
見た目的にまだ20代前半だろう。
見目麗しい美貌さながらかなり若いご主人様だ。
「う〜ん、甘い香り♡ 君、名前は?」
『えっ、あ、あの、新しくここの家政婦に来た…』
「あ! 真白ちゃんか! 」
『え? あ、はい。』
答えるよりも先に名前を言われ、真白は頷くしかなかった。
そんな真白に男はクスッと笑うと、陶器のような肌をした手のひらを彼女に差し出す。
それは女の真白よりもきめ細やかな肌で白い。
「俺はロイド。宜しくね真白ちゃん。」
(ロイド?)
異国の名に戸惑う真白だが、基本、主の情報を聞き出すことはあまりよろしくない。
真白はおもむろに顔を見上げれば、太陽越しに
柔らかい笑みを浮かべるロイドがいた。
高い鼻筋に、垂れ目の紅い瞳。
何よりも肩につくかつかないかくらいの金糸の髪が彼の顔にとてもよく似合っている。
彼は紛れもなく真白のご主人様だ。
異国の人であってもそれは変わりない。