第3章 もう逃げられないよ♡
十
ロイド
「真白ちゃんってさ、意外とビッチだったりする?」
『ブフォっ!!』
ロイド
「えー!? 大丈夫!?」
あれから二階に登りロイドと客間に向かっていた真白だが、不意の質問に盛大にツン退ける。
幸い転ぶには至らなかったが、そのおかげで廊下に敷いてある赤いカーペットには小さなよれができた。
『ななな、何をいきなり!?』
ロイド
「いや、なんか直感で♡」
手と手を合わせて顔の横に持って来るロイドは、ニパッと笑う。
まさにその仕草は女の子の様だ。
(ここの住人大丈夫かな? いや、特にこの人はさっきの件もあるし、気をつけないと。)
前を歩きながら真白は気持ちを強く持つ。
『私はビッチなんかじゃないですよ。』
ロイド
「そっかぁ。じゃあ聞くけど、家政婦としてバイトしてて雇い主からセクハラとかされたこともないの?」
『何でそんなこと…。まぁ、セクハラなんてことはなか…』
いや、ないとは言い切れない。
過去に一度だけ身体を交えた人がいた。
《ああ、真白…綺麗だよ。くっ》
《ああっダメ!周藤(しゅどう)様ぁあ//》
ーーーーーー
(いやいや、何思い出してんの私!?//// ダメダメ! 思い出すな私!)
真白は過去の事を思い出してしまい、少し頬を赤らめる。
それを当然ロイドが見逃す訳もなかった。