obsidian is gently shines
第1章 お幾つになりましたか?
「…っ、はは。
本当にそっくりだな」
「もう!何で笑うの!」
「……、…知りたいか?」
「知りたい!」
何故、馬鹿と言われ、変態と言われ、それでも笑えるのか。
「一度しか言わないぞ」
「…うん」
「セチア、お前が可愛いからだ」
「!!!」
「あぁ、悪い」
隣のテーブルで用聞きを済ませたウェイターを、リヴァイは絶妙なタイミングで呼び止める。
「これとこれを、持ち帰り用に頼む」
「畏まりました」
「あ…、今…何…」
至って普通に。
まるで『今日はいい天気だ』とでも言うかのように、さらりと言ってのけた。
「どうした?真っ赤じゃねぇか」
「……だって…」
もごもごと口ごもりながら、残った紅茶を一気に飲み干す。
「…リヴァイ、ずるい……」
「だったらお前も言えばいい」
「でも……リヴァイは可愛くない。
カッコいいもん…」