obsidian is gently shines
第13章 恋人宣言
ダージリン、セイロン、他にもあったよね?
お茶請けも忘れないようにしないと!
と、楽しそうに午後の予定を立てる二人。
「こんにちはー!」
「うわ…」
眉をしかめ、思わず嫌悪を口にしてしまったのは親友の彼女。
「こんにちは」
セチアは思考を支配しかけた動揺を悟られぬよう、にっこりと微笑んで返した。
今目の前にいるのは、年齢的には同期。
だが所属している部署が違うため、日頃の接点はほぼない。
それでも誰かと、分かるのは…
「今ね、兵長に紅茶をお出しするって聞こえたんだけど」
「だったらなんだっていうの?」
「それ、私がしてあげる。
だから目一杯!午後のお休み楽しんでね。
あ~ん、今からドキドキしちゃう~♪」
彼女がリヴァイを好きで、何かにつけてはアタックしているせい。
勿論、他にも好意を寄せる者はいる。
だがセチアの存在は周知の事実であり、リヴァイ自身も寄せ付けないようにしていた為、こうして無遠慮に声を掛けてくるなど、彼女以外では有り得なかった。
「ちょっと!
人様の彼氏に何するつもり?!」
「何って、
好きな人に喜んで貰いたいだけよ?
貴女だってそうでしょ?」
「そう、だね」
「あ!そうだ!
ついでにちょっと聞きたいんだけど、
兵長からはどんな風に告白されたの?」
「はぁ?!
貴女いい加減にしてよ!
セチア、いこ!」
「………」
「セチア?」