obsidian is gently shines
第13章 恋人宣言
今日は、月の中ばの週の中ば。
忙しい月末月初を越え、仕事的には一番まったりする頃合い。
しかも今月は壁外調査が無しということもあり、事務局に回ってくる書類も、事務局から回す書類も、いつもより少ない。
そんなこんなで手持ち無沙汰な女子二人。
事務局長から許可も得、午前で退社することに。
今はのんびり、兵団の食堂の隅にて昼食を頂いているところ。
「午後、何かするの?」
「う~ん、私は特に何も。セチは?」
「私も特に無いかな」
「そうなの?
じゃ、兵長に紅茶でも淹れてあげたら?」
『ちょっと、こんな所でやめてよ…』
と頬を染めながら小声で制するセチアに
『いいじゃん。喜んでくれるよ~きっと!』
と同期で親友でもある彼女は最後に、頑張れ、と付け加える。
彼女はセチアにとって、歳近い者の中では貴重な"理解者"。
時々『どう?今どこまでいってるの?』と好奇心を抑えきれない事もあるが、それでもリヴァイとの関係を悪く言うことはない。
そんな優しい友。
「…じゃ、手伝ってくれる?」
「え、いいの?私が一緒でも」
「うん、全部で五人分だから。
ペトラさんとオルオさんと、
エルドさんとグンタさんと」
「なるほど」
「それにいつだったか
『紅茶を上手に淹れられるようになりたい』
って言ってたでしょ?」
「私も上手いわけじゃないけど、
分かること教えてあげる」
「ほんと?!嬉しい!
ありがと~~~、セチア大好き!」
「どういたしまして」