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obsidian is gently shines

第11章 スミス家の日常



「あのさ、
 エルヴィンってやっぱり朝早い?」

「朝、ですか?」

「うん。
 あ、いや、何番目に起きるのかなって。
 ナナバも君も、早起きそうだなって思って」

「そうですね。
 でも起きる順番でいえば、ママ…
 ナナバさんのが早いです」

「あぁ、いいよ。"ママ"で」


『私たち相手に気を使わないで。時間的にもプライベートだろ?』
とハンジは人懐こい笑顔をセチアに向ける。

その隣には、紅茶を淹れ終わったモブリットが座り、同じく微笑み頷いた。

これで三人分。
紅茶の良い香りが、一層強まる。



「…ママが一番のことがほとんどです。
 私は、たまに、くらいかな?」

「ほうほう。ってことは
 エルヴィンはどっちかの後、二番目か」

「いえ、パパ、は最後です」


ママにあわせて、パパと呼ぶ。
が、許可を得ているわけではないので、少々探りながらになってしまうのは真面目な性格ゆえ仕方ない。


「へ?そうなの?」

「…その、失礼ですが、意外ですね」

「そうだね」

揃って驚いた顔を作り、セチアの目の前で頷きあう。


「パパ、早起きだったんですか?」

「うん。
 ここで生活してた時は、いの一番、
 誰よりも先に起きてたみたいだよ」

「そう、なんですか?
 意外です…」

今度はセチアが驚く番。
見開いた空色はハンジとモブリットを映しながら、数度瞬きを繰り返す。



どうやら、お互いに持っていたエルヴィンのイメージは見事なまでに真逆だったらしい。


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