obsidian is gently shines
第9章 好きになったのは:黒色編
「疑いもせず笑った。多分あの時からだ…
……あの時が、始まりだったんだ」
「そっか。…リヴァイが先、か…」
「先?」
「ううん、なんでもない。
さて後は片付けて終わりかな」
ナナバの髪を、窓から差し込む西日が撫でている。
「俺がやっておく。お前はもうあがれ」
「え?」
「今日はセチアが夕飯を作るんだろ?
早く帰ってやれ」
「……、それじゃお言葉に甘えて」
見送るリヴァイの背中を見つめるのは、同じオレンジ色を受けて輝く、深い黒。