obsidian is gently shines
第9章 好きになったのは:黒色編
『?! おい!』
隣に座ったナナバがセチアを差し出せば、リヴァイは条件反射で受け止める。
『っ…』
『上手いじゃない。もしや慣れてる?』
『いや…初めてで…』
『あぶ』
『?!』
『ぁっぶ』
『………』
『ぅ?』
『………』
『リヴァイ、ほら、セチアが話しかけてる。何か言ってあげて』
『………』
(無理だ)
(小さくて、柔らかくて、軽くて)
(吹けば飛ぶ、なんて表現…こいつのことじゃないのか?)
『ぁ、い!』
『ふふ。リヴァイのこと呼んでるよ?』
『はっ?!』
(親でもないのに、何考えてるんだ?)
『………』
『ぅ…、っく、ぇっく…』
『あらら、泣いちゃうかな』
(…何が悪かったんだ?反応出来なかったからか?)
(仕方ねぇ……)