obsidian is gently shines
第7章 好きになったのは:空色編
「そう言ってくれたんだよね…」
「きっとあれが最初だったんだと思う。
あ、ううん、リヴァイのことは元々好きだったよ?優しいし、かっこいいし、いつも遊んでくれるし」
「でもあの時、『俺も好きだ』ってそう言われた時、何だかすごく嬉しかったの。沢山遊んでもらって嬉しい、でもそれとは違う……『この人は私と同じなんだ』って思ってすごくすごく嬉しくて」
自分と同じ。
自分が好きな人を、この人も好きと言ってくれた。
同じ想いをもって接してくれているのだと知った。
「多分、それから、かな…」
「そっか」
いつの間にやら用意していた紅茶。
ナナバはストレートで。
セチアは砂糖なし、ミルク多めが二人のお気に入り。
「で、ですね、セチアさん?
質問ついでにもう一つ」
「……なに?」
紅茶を受け取りながら、恐る恐る尋ねる。
何故なら、とてもとても嫌な予感がするから。
相手の"何か"を引き出そうとする、ナナバお得意のその誘うような笑み。
…意識しているのか、無自覚なのか。それが分からないから余計に対処に困るものの一つだ。
引っ張られそうになるのを落ち着かせるため、紅茶を一口。
「どっちが先に告白したのかしら」
「んっむ"!ごほっ、ごほ…」
「あらら、大丈夫?」
「っ、んんっ、どうしてそんな…
今日はすごい攻めてくるね」
背中をさすられつつ、それでも構えてしまう。
何しろ、その隠し切れない好奇心。
まるでテンションの上がったあの人のようで…
「今の私って…もしかしてハンジみたい?」
「……ちょっとだけ思った」
「じゃこのまま攻めていこうかな」
「はぃ?!」
「で、どうですか?
私の可愛いセチアちゃんは」