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obsidian is gently shines

第1章 お幾つになりましたか?



「面倒くさいことばかり考えるんだな、お前は」


そして何というか、リヴァイの目の前にいる甘いもの好きな人はとてもガンコだ。


「だって本当の事だから」


「……」





彼の目の前にはティーカップが一つ。甘いものは頼んでいない。

そして頼んだ紅茶は既に程よく冷めている。

少し多目に口に含めば、どちらも普段から紅茶を愛飲している二人…
上司とその側で補佐にあたる人を思い出した。



(言い出したら聞かねぇ…どっちに似た?)

きっとこのガンコさは、父親譲り。
いや、母親もまた然りといえる程度には頑固だ。

つまるところ…
間違いなくあの二人の娘である。


「皺らしい皺っていったら眉間のくらいだし…
 ほんと、若いよね」


(ったく、飽きもせず…)


実の所、この手の話題が出るのは今日に限ったことではなかった。

不定期ではあるが、適度に会話に上る。
そしてその度に『若い』『若くない』というやりとりを繰り返していた。

今日もまた、同じ展開。
またここで否定すれば、

『そんなことない!』

と間髪いれずに否定し返すに違いない。



いや、必ず、する。

さしもの兵士長ですら腰が引ける程の、気合いの入った勢いで。




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