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obsidian is gently shines

第5章 DNH企画:明日も晴れるのおまじない



「…私……」

「無理にとは言わねえよ。お前が嫌だというなら、これはこれから先も単なるお守りのままだ」

「……、…ぃ」

「ん?聞こえないな」

「嫌、じゃない。
 でも、まだ…何て言っていいか……」

「それで十分だ」


気持ちがあるのなら、後は待てばいい。

待っていれば必ずやってくる。

セチアが今よりもっと特別な人として、リヴァイの隣に立つ、その日が。



そう、彼女のかけたおまじないと、彼女のくれたお守りは効果抜群。

(待っててやる。いつまででも、な)

あの時から今この瞬間までも、リヴァイの心は雲一つなく晴れ渡っているのだから。










静かに見つめあう二人は気付かない。

空を割くようにして降り続いていた雨は、しとしとと優しい音を立てながら窓を伝い、途切れながら落ちては消える沢山の透明な雫に変わっていることを。

太陽を覆い隠していた灰色の雲はいよいよその姿を消し、遠い空の下、ひやりとした空気を暖かな陽射しが微かに照らしていることを。





それはまるで、リヴァイの心のように



何処までも広がるのは、透けるような青い空



もうすぐ、雨が上がる









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