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obsidian is gently shines

第5章 DNH企画:明日も晴れるのおまじない



かさり、と優しげな音が、窓を叩く雨音の中はっきりと聞こえた。


リヴァイが取りだしそっと広げたのは、年季の入った一枚の紙。


「懐かしいな」


右下にあるたどたどしい文字で綴られた名前は、リヴァイの為だけに書かれたもの。
左から右へ、ゆっくりと視線でなぞれば、目元に小さく笑い皺が刻まれる。





『はい、どうぞ!だいじにしてね』

それはその瞬間に、彼だけの、世界でただ一つのお守りとなった。

『ありがとな』

受け取り、小さく畳んでしまわれた場所は左胸の内ポケット。

いついかなる時でもセチアと共に。
命が脈打つところの、一番近くに。





「それ、まだ持っててくれたんだ」

「………」

「リヴァイ…?」


あれ以来、肌身離さず持っているそれは、今また特別なものになろうとしている。


「見たいか?」

「うん、見たい!」


『私どんな字書いてたんだろ、何かちょっと恥ずかしいかも』
そう言いながらも期待に満ちた瞳でリヴァイの持つお守りを見つめる。

頭に乗せ感触を楽しんでいたバスタオルを肩にかけ、空いた両手は揃えて胸の高さに。


「!!!」


まるで賞状を受け取るようにリヴァイから手渡されたそれに、セチアの大きな空色がさらに大きく見開かれた。


「こ、れ」

「どうした」

「これ、これって……」

「何を驚いてやがる。
 お前が書いたものだろうが」

「そ、それはそうだけど、
 でもっ、これ、これっ!」


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