obsidian is gently shines
第2章 sweet souvenir
「リヴァイにね、責任とれよって言われたの」
「ぶっ!?」
「エルヴィン、大丈夫?
セチア…リヴァイは何の責任をとれって?」
「お土産の事だと思う。
そうだよねって聞いたら、
『それで許してやる』って言ってたし」
「そう……」
大きな体を目一杯小さくまるめては紅茶でむせるエルヴィンの背を、優しくさするナナバ。
「せき、にん……ごほっ…」
「パパ、大丈夫?」
「ダ、メだ…そんな…っ、んんっ…」
「セチア」
二人に呼ばれるまで一人黙りこんでいたエルヴィンの姿が、ふとナナバの頭に過った。
「さ、お風呂済ませて早く寝なさい」
「ママ…?」
「"おやすみ"」
久しく聞かない、有無を言わさぬナナバの声音。
だが、悪い雰囲気は微塵も感じなかったため、セチアは素直に従う。
「うん…分かった。おやすみ。
パパも、おやすみなさい」
「ん……」
声で答える代わりに、こくこくと頷くエルヴィン。