obsidian is gently shines
第2章 sweet souvenir
「ね、リヴァイって若いよね」
「そうだね。
私もそう思うよ」
「………」
セチアの帰宅後。
夕食を済ませた親子は、まったりとデザートを楽しんでいた。
並んで座るエルヴィンとナナバ。
目の前には紅茶と桃のタルト。
二人の向かいに座るセチア。
目の前には珈琲と苺のショートケーキ。
「ん~、美味しい!
パパもママも、どう?美味しい?」
「うん、とっても。
明日リヴァイにお礼を言わないと」
「………」
「パパ?」
「エルヴィン?」
「…ん?
なんだい?
どうかしたかい?」
二人同時に呼ぶ。
それでやっと、反応を示すエルヴィン。
ナナバはフォークを置くと、エルヴィンの額に優しく触れた。
「ん」
「ママ…
パパ、大丈夫?
どこか具合悪いとかじゃ」
「熱はないみたいだけどね。
タルトは明日にして、もう休む?」
「大丈夫大丈夫!
うん、本当に美味しそうだ。
わざわざありがとう」
「どういたしまして。
って言っても、リヴァイからだけどね」
「いや、セチアがお土産に、と言ったからだ。
君のお陰だよ」
「そうそう、それなんだけど」
好きな物を最後までとっておくセチアは、つやつやとした真っ赤な苺にそっとフォークをさす。