第3章 〜welcome party〜
二人掛けソファーにハンジとミケが座っている。
その向かいに居るエレンの横にリヴァイが腰を掛け、足を組む。
あとは上座の二人掛けソファーしか空きが無かった為、エルヴィンの後に続き隣に腰掛けた。
机には色々な種類のお酒と、ちょっとしたお菓子が並んでいる。
ワイン、ブランデー、透明で度数のキツそうなお酒、ビールのような物。
(お菓子ってこの世界では貴重なんじゃ…?)
そんな高価なものを食べていいのか悶々と考えていると、いつの間にか立ち上がっていたハンジが私の目の前で手を振っていた。
「お〜いナナ!何飲む?」
ハッとした私は一番最初に目に入ったワインを注文した。
お酒は強い方だが、実はビールとブランデーは苦手だったりする。
透明なお酒は……後が怖いので辞めた。
「じゃあみんな揃った所で!かんぱーーい!!」
乾杯の合図と同時にハンジとミケはワインを一気飲みし、リヴァイはそれを見て溜息を付いている。
「ぷはぁ〜!久しぶりのワイン!!やっぱりいいねぇ!」
一気飲みする決まりなのかと思い、私も負けじとワインを喉に流し込む。
「やっぱりナナはお酒が強そうだね。」
隣でエルヴィンが微笑みながらワインを注いでくれた。
「こいつらの酒に付き合うとろくな目に合わねぇぞ。」
そう言いながらも一番キツそうな透明のお酒をロックグラスで飲んでいるリヴァイ。
独特な持ち方を生で見れて高揚した私は、またワイングラスの中身を飲み干してしまった。
エレンはジュースを何度も口に含みながら、緊張した面持ちで私を凝視している。
「どうしたエレン、タイプか?」
子供をからかう様にエレンに話し掛けるミケ。
「ち、違いますよ!!俺は色々話が聞きたいだけでっ!」
その言葉を遮るように、ミケに乗っかる。
「あー、未来から来た、とか言われたら色々知りたいよね。ミカサの事とかね…?」
「なっ…!!違う!俺はっ…。」
「ほぅ〜?その話、気になるねぇ。」
「もうほっといてくださいよハンジさん!!」
真っ赤になるエレンにフフっと笑みが溢れ、本題に移す。
「ねぇエレン、今のエレンは精一杯生きてると思うんだ。しかもまだ15歳。私の15歳の時なんて何も考えてなかったな…。」