第3章 〜welcome party〜
「はぁ…何が言いたいんですか…?」
「今の思春期真っ只中のエレンに言っちゃうと色々暴走するかもしれないでしょ?例えば、全くの嘘だけどジャンとミカサが結婚する、って言われたらどう?」
「はぁ?!」
「ふふ、最初に嘘だと前置きしてもそのリアクション。」
「っ…別にこれはっ!」
「いいんだよそれで。今はエレンがその純粋無垢なまま居てくれたら。先の事を知って一喜一憂するのは…今は責任者や大人達だけで良いと思う。時が来たら話を聞いて欲しい。そしてみんなを信用して欲しい。」
「?はぁ…。」
「…随分注文が多い割に、お前自身を信じろ、じゃないのか。」
リヴァイがお酒を注いでくれた。
「いきなり私を信じろ、なんて無理がありますよっ。」
フフっと笑い、ワインを嗜む。かなりいい感じにフワフワしてきた。
「つまり何が言いたいのかって言うと、変な情報入れ込むよりエレンはそのままのエレンで良いってことじゃないかなぁ?」
「そう言う事ですハンジさんっ。」
「個人の感情で好き勝手暴走すんじゃねぇ、って事だ。」
「感情豊かなのはいい事ですよっ。」
「まぁ、だたでさえエレンには無理難題な事をさせてきたからね。もっと私達を頼ってくれって事で!」
ハンジさんが立ち上がり、エレンの肩をポンと叩く。
「私も力になれる事はするから、もっと肩の力を抜いてね?エレン。」
「よく分からないですけど、何となく分かりました…。ありがとうございます。」
「ナナは思ったよりよく考えているな。」
ミケにフッと笑われ、恥ずかしさを隠すようにグラスを空けた。
「あぁ、とても感心するよ。」
エルヴィンが私の頭を撫でる。
「え、エルヴィンは酔ってるか酔ってないか分かりませんっ…。」
「エルヴィンは案外弱いよね〜!……で!ナナ〜!そろそろ巨人の話してよぉ〜!ずっと我慢してたんだよー?!」
「ひっ!!それだけは辞めてください!!」
エレンの悲鳴と皆の談笑が混じり合い、お酒が進む。
巨人は人です、なんてお酒が入っていても今の空気で言える訳ない。
かと言ってそこまで巨人の事を知る訳でもない。