第3章 〜welcome party〜
「あー…ハンジさんごめんなさい、巨人については私も詳しくは分からないんですよね。」
「ええぇー?!まじでえぇ?!」
明らかに肩を落とすハンジを見て心苦しくなる。
「良かったな、ハンジ。研究のしがいがある。」
「良くないよおぉ!!朝まで語り合おうと思ってたのにさぁ!!」
壁内のエルディア人は巨人化する事が出来る。
だが、エルディアやマーレといった人種を説明するには、この壁内以外にも国がある事を説明しなければならない。
それは確か、エレンの地下室に行った際明らかになったはずだ。
自分達の居る壁内はほんの小さな一国に過ぎないという事。
果てしなく続く青い海がある事や、人類は限りなく自由だという事。
彼らが知ったら一体、どんな反応をするのだろうか。
「エレン、先程ナナは君を気遣い、先の事は話さないと言ったが、私の独断で必要最低限の事は話そうと思っている。君は何を聞いても冷静で居られるか?」
真面目な顔になったエルヴィンがエレンに問う。
「っ…はい!大丈夫です!」
「こんな事を聞いて冷静にしろと言う方がおかしいかもしれないが、単刀直入に言う。今回の被験体の巨人を始末していたのは、君もよく知っている同期、アニ・レオンハート、私達人類の敵だ。」
「……は?……どういう事ですか?」
確かに、明後日現れる女型の巨人の正体がアニである事は、後で知るより先に言っておいた方が得策かも知れない。
実際、アニが女型の巨人だという事を受け止めきれなかったエレンは、しばらく巨人化出来なかった。
今の歳のエレンは何を聞いてもうろたえるだろう。
エルヴィンはそんな事まで考えているのかと思うと、やはり尊敬せざるを得ない。
「明後日の壁外調査では無関係だが、その他にもライナー・ブラウン、ベルトルト・フーバーもアニ・レオンハートと深く関わっている事が分かった。」
「い、いやいやちょっと待って下さいよ!!その人が言ったんですか?!そんないきなりやって来た人が言ってる事なんて… 信じれる訳ないじゃないですか!」