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連理之枝 【進撃の巨人】R-18

第3章 〜welcome party〜






隠し部屋の椅子に座り、硬いパンを千切りスープに漬けて食べる。


米代わりなのか、蒸した芋を潰してこねているものもある。アニメで見た通りだ。もちろん肉や魚は全く無い。


ぼんやりと小さな窓の向こうを見つめると、もう外は暗くなってきている。


食べ終わった私は、近くにあった清潔感のあるベッドに寝転んだ。


「はぁ…これでいいのかな?」


まだまだ伝えきれていない事がたくさんある。
もちろん物語に描かれていない場面もあるだろう。


だが、今一番優先すべきはペトラ達やその他の兵士の死を回避する事だ。
とりあえず、最低限の情報は伝えられたと思う。


そうこう考えている内に一気に睡魔が襲ってきた私は、知らぬ間に眠りについてしまっていた。


ーーーーーーーーーーーー


「おい。」


「んん〜…。」


「おい、起きろ。」


「……へいちょーの声…やっぱり好きだなぁ…ふふっ」


「…あ?何言ってやがる。さっさと起きろ。」


(……ん?兵長の声……?)



「ハッ!!はい!起きます!起きましたっ!!」


先程までの事が現実だったのを思い出し体を起こすと、私服姿に変わったリヴァイが私を見下ろしていた。


外はもう真っ暗だ。


「ようやく目が覚めたか。早くしろ、エルヴィンが外で待っている。」


「すみません!」


スタスタと早足で歩くリヴァイの後を、小走りで追いかける。


リヴァイの自室の扉を開けると、私服姿のエルヴィンが待ってくれていた。


(二人ともかっこいい…!)


「肝心の主役が寝ていやがった。」


「お待たせしてごめんなさいっ!」


「はは、私は構わないよ。ナナも慣れない場所で疲れていたんだろう。」

そう言いながら歩き出すエルヴィン。

リヴァイはもうかなり前を歩いているが、エルヴィンは私の歩幅に合わせ、ゆっくりと歩いてくれている。


「私の執務室でかまわないか?」

「はい、もちろんです。」


執務室に辿り着き扉を開けると、既にハンジとミケ、エレンが揃っていた。



「遅いよ〜ナナ!!君には聞きたい事が山ほどあるんだ!」


「ハンジ、やめてやれ。」


ハンジもミケもエレンも私服姿で新鮮だ。


「まずは主役のナナに酒を入れよう。」


「あぁ、そうだったね。ごめんごめん!」


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