第2章 〜Encounter with puppy〜
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前方からいきなり飛び付いて来た小柄な女性にビックリする。
俺を見上げるその顔は女の子なのか女性なのか
年齢は不詳だが、可愛い中で色気もあり
全く悪い気はしない。
異性にこんな事をされたのはかなり昔だが…
ってかミカサくらいだ。
(ここじゃ無けりゃ良かったけどな…って、何考えてんだ俺!!)
流石に幹部の方々が居る前で堂々と受け入れる事は出来なかった俺は、その人を軽く払い除けようとした。
その時
「可愛い!!無理!!」
「……は?かわ、いい…?」
言われ慣れてない単語が聞こえ、思考が止まる。
……今、可愛いって言ったのか?
「えっと、あのー、ナナちゃん?エレンの事が好きとかじゃ無くて、可愛いから抱きついてるの?」
前に居たハンジさんが近付いて来て、その人に問い掛ける。
「もちろん好きですよ!大好きです!でも、それ以上に、可愛くないですか?!」
腹を抱えて笑い出す団長とハンジさんに、更に恥ずかしさが募る。
「ッだから!何なんですかこの人は!」
「その子はね、エレン……未来から来たんだよ。」
「……は?未来?」
「おい、それをこいつに言っていいのか。」
ハンジさんが意味不明な事を言っているのに、兵長がそれに乗っかっている。
有り得ない光景に思考が停止しそうだ。
「エレン、この事はここに居るメンバー以外、他言無用だ。」
団長までもが、真剣な顔で俺を諭すように話し掛けている。
話を信じるか信じないかは別として
残された選択肢は、YESしか無い。
「わ、分かりました…。信じ難い話ですけど…絶対に、誰にも話しません…。」
「あぁ、そうしろ。バレちまうと厄介な事になるからな。」
ソファから睨んでくる兵長に、背筋が凍る。
「って事はさぁ…今日の呑み会に、エレンも参加したらどうかな?」
調査は二日後だと言うのに、この人たちは酒を飲むというのか。
「ナナ、エレン・イェーガーは敵か?」
微笑みながら、ナナと言う女性に問い掛ける団長の言葉に反応する。
「いえ、もちろん味方です。エレンこそ、人類の希望だと私は思ってます。」