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連理之枝 【進撃の巨人】R-18

第1章 〜Encounter〜






リヴァイがソファに座り直し、口を開く。



「で、どうして俺達の名前を知っていた。」



至近距離で話し掛けてくるリヴァイの声に耳を犯されそうになる。


恥ずかしくて顔も見れないまま、私はまだまとまってない話を皆に話し始めた。



「えーっと……私が皆さんの名前を知っていたのは、私の世界で貴方達がマンガ…あ、本!絵のある本に出ていた登場人物だったから分かったんです!」



「……あ?」



やはり皆思った通りの反応だったが、根気強く話し続ける。



「今がどういう状況かはまだ分かりませんが……あ!リヴァイ兵長が地下に居た時の事も本に乗っていました!ミケさんが潔癖の兵長を水溜まりにバシャンって」
「もういい、てめぇの話は理解した。」



それ以上言うなと言う様に身を乗り出して訴えてくるリヴァイの鋭い睨みで、説明が過ぎた事に気付きハッとする。



「ご、ごめんなさい……。」

 

リヴァイの舌打ちが周りの吹き出す声と交じり合う。



「確かにそれは限られた人間しか知らないな…。」



エルヴィンとミケが納得した様な顔で呟いた。




「でも、君の言う私の世界、って言うのはどんな世界なんだい?本に載っていたって事だよね?それじゃあ私達は、君達の先祖って事になるの?」



ハンジが真剣な表情に変わり、ミケの横に座る。



「あ、その…世界と言うより…。」



かなり言いにくい内容に言葉が詰まる。
今私がここにいる空間は、現実では一切存在しないからだ。


作られた世界、と言ってしまうのは簡単だが、それは今私の目の前にいる人達を否定してしまう事になる。



どのくらいここに居られるかは分からないが、いずれ言わなければいけない時が来るかもしれない。
その時が来るまでは“歴史”と言う事にしておこう。



「そう、ですね…。世界じゃなくて、歴史みたいな感じです。私はこの時代が好きだったので、大体の出来事は覚えてます。」



「…こんな理解し難い事が起こるなんてな。」



エルヴィンが椅子から立ち上がる。



「……ちなみに…今は何年ですか?」



恐る恐る、聞いてみる。



「850年だけど、それがどうかしたの?」



「…ッ、第57回壁外調査は、終わったんですか…?」



「……いや、明後日決行だ。」





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