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連理之枝 【進撃の巨人】R-18

第1章 〜Encounter〜






執務室の扉がエルヴィンによって開かれる。



「待ってたよ〜!さぁ、早く座って!」



(やっぱりハンジさんだ!)



私より何故か興奮気味のハンジに手を引かれ、昨日無かった筈のソファに誘導される。



が、誘導された場所の隣には、既にあの人類最強が座っていた。



(もしかして、兵長の横?!)



「とっ、隣失礼します!」




やはり思った以上のオーラを放つリヴァイに緊張して声が裏返ってしまう。



「………。」



返事は帰って来ないが
大きく開いた足を小さく組み直し、場所を開けてくれている様だ。


生身の方が何倍も、いや何百倍も格好良いリヴァイの隣に座り、同様のミケにも軽く頭を下げた。



「フッ、エルヴィンも隅に置けないな。」



「ミケ、そういうのじゃない。」



「てめぇの惚気話を聞かされるぐらいなら俺は訓練に戻るぞ。」



ソファから立ち上がるリヴァイ。



「まぁ待てリヴァイ。」



(これ…勘違いされてる?)




エルヴィン以外のメンバーも見て、自分が異次元トリップしてしまった事を完全に確信した私は決意を固めた。



(言うしかない。)




「信じてもらえるか分かりませんが!!」



扉の方に向かうリヴァイの足が止まる。




「私、別の世界から来ました…。」



「……………。」




騒がしかった執務室が一気に静まり返る。




長い沈黙を破ったのはハンジだった。



「はっ……ハハハ!!この子、めちゃくちゃ面白いじゃん!!ねぇリヴァイ!話聞いていこうよ!!」



「チッ、触るんじゃねぇクソメガネ。」



唯一こういう系の話を分かってくれそうな相手に笑われ、落胆する。



「あ、あの……。」



どう説明すれば分かって貰えるのか分からず、助けを求める様にエルヴィンを見る。



するとエルヴィンは優しく微笑んだ後、真剣な口調で話を切り出してくれた。



「この子は俺の名も、リヴァイ、そしてハンジの名も知っていた。密偵や民衆なら納得出来るが……話をする限りこの子はこの国の事を詳しく知らない様に見えた。
だが俺達の名は知っている。それがどう言う意味か、知りたくないか?」




「…………。」




エルヴィンの助け舟のお陰で全員耳を傾けてくれたようだ。







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