第2章 真相解明
「それ以来友夏とは一度も会ってない」
「そうなんだ…その子今どうしてるのかな?」
心配そうに聞く緑谷。
「さあな…俺にも分からない。」
「ちょっとこの話おかしくねぇか?」
そう言ったのは意外にも上鳴だった。
何がおかしいんだ?と聞くと、今まで俺があまり気にしてなかった事をツッコミ始めた。
「だってよ、最初友夏ちゃんは服装に関しては個性の関係で脱げないだけだから気にするなって言ってただろ?」
「あぁ」
「後日来た時は、自分は個性婚の失敗作で無個性って言ってる…」
「確かに!」
「辻褄が合わないな!」
緑谷と切島が同意する。
「つまり、友夏の最初の個性の関係だって話は嘘ってことか」
俺がそういうと上鳴がそう考えれば辻褄が合うだろ?と答えた
「でもなんでそんな嘘を…」
考え込む切島。
「おそらく、お父さんに知らない人に服装について言われたらそう答えるように言われてたんじゃないかな?」
「だな、緑谷の言う通りだと思う。」
俺が緑谷に同意する。
「けどよ、こんなこと今更話し合ったところでどうするんだって話じゃねぇか?もう8年も前だし、いない人間について話しててもな〜」
と切島が言うと緑谷が
「……まだ友夏ちゃんが生きてて、今も家庭環境に苦しんでいるなら僕は出来ることだけでも協力してなんとかしてやりたいなぁ」
と言った。
「でも人の家のことに土足で踏み込んでいくのは違うんじゃねえか?それこそ8年も前だ、余計なお節介焼いて友夏に迷惑かけるなら本末転倒だ。」
俺は、友夏の家の事も考えてそう言った。
友夏を助けたくないわけではない、むしろ助けれるなら助けたいと思っている。でも、現実的に考えてそう言う家庭環境の問題は簡単なことではないことを俺は自分の家庭環境の中でよく知っている。
「それもそうだけど…まずは調べてみようよ。調べてみて友夏ちゃんの今現在に何も問題無ければ捜査を中止すれば良いけど、問題があれば解決しなきゃ…轟くんの身内からヴィランが出る可能性だってあるかもしれないんだよ?」
「確かに身内からヴィラン出たら轟もヒーローとして将来仕事しづらくなるかもだしな」
切島がそういうと上鳴がうんうんとうなづく。