第8章 友達記念日
ツバクローが扉を開けるとその部屋には友夏とクロノスローンの社長と友夏の実の父親がいた。
「俺の個性でこいつを瞬間移動させてきた、さぁ友夏仕事だ。こいつの心臓を抜き取れ」
「友夏やめろ、やめてくれぇぇえ!!」
友夏の実の父親は必死に抵抗するも、クロノスローンの社長がそれを抑え込む。
「友夏今まで悪かった!全部俺が悪かった!!だから、殺さないでくれ!なぁ?俺たち家族だろ?」
友夏の肩を掴んで命乞いをする元父親。
「友夏耳を貸すな、こいつはお前を俺に売った男だ」
現父親であるクロノスローンの社長は冷静にそう答える
「俺だって本当はこんな事したくなかったけどしょうがなかったんだ、なぁお前ならわかってくれるだろ?」
友夏に顔を近づけ、必死に自分の保身の為説得を繰り返す。
友夏はひどく混乱していた。
両手で握りしめたメスが小刻みに震えている
「友夏…」
俺が小声で名前を呼んだ
『焦ちゃん…』
友夏はそれに気づき俺の方を向く。
『……なんで来たの?焦ちゃん。』
「友夏を、助けに来たんだ。早くここから出よう。」
クロノスローンの社長はそれを聞いて盛大に笑った。
「助けに来た?クククッ…今更何しても無駄だもう手遅れだ。犯罪者は助けられないだろう?なにせ友夏は俺のところに養子に来てから5人も人を殺してる」
「そんなっ…」
「……嘘、でしょ」
「友夏…嘘だろ?嘘だって言ってくれ!」
俺がそう言うと
友夏は俺から目をそらして本当だよと呟く。
『本当だから、私は焦ちゃんに会いたくなかった。』
今まで俺が見たことないような冷たい表情のまま友夏は涙を流していた。