第7章 俺の友達だ
「とまぁ、こんな感じに侵入して友夏ちゃんを救出するつもりでいるんだけど…」
「いいんじゃね?」
上鳴がそう言った後
「セキュリティとかあるかもしれないぞ」
切島がそう付け足す
「そうだよね…」
シュンとする緑谷
「けど今は迷ってる時間はねぇ…行くぞ」
俺たちは、友夏のいるクロノスローンへ行く道すがらドンキに立ち寄って変装して屋敷の周りにいる野次馬に紛れ込むことに成功した。
「おいおい、これなんの騒ぎだ?」
「この家闇金の社長の家でここの社長子供に臓器抜き取らせてそれを闇医者に売り飛ばしてたんだってさ!」
「何それ怖〜!」
「今まで政治家とのパイプもあったから警察もヒーローも手を出しづらい状況だったらしいけど今回ばかりは流石に動かざるを得ないって感じだよな…今から社長と子供を拘束するんだとよ」
野次馬の話を聞いてクロノスローンがどれだけ残虐な闇金融かを思い知った。
「…ある程度前の方まで来れた、裏に回ろう。」
警察の隙を見て屋敷の裏に回ろうとした時
「君たち、何してるんだ?」
上鳴がヒーローに声をかけられた。
「あ、いやぁ…そのっ、これなんの騒ぎなんですか?」
上鳴がうまく切り替えし、切島もこう続けた。
「俺ら通りがかりの雄英生なんすけど、ヒーローの方に様子を伺いたくて…」
「あぁ、それでこっちの前の方まで来たのか…実はな」
上鳴と切島が小さくジェスチャーで先に行けと合図をしてきた。
俺はうなづき、緑谷を連れて屋敷の裏に回った。