第6章 クロノスローン
警察署に着いた私は義兄さんを引き渡した。
「ひったくりを捕まえてきました。」
「ツバクロー、ご苦労様です。」
「離せクソっ!!」
抵抗する義兄さんは最後の抵抗と言わんばかりに口を開く。
「クロノスローンではガキが無免許で人の臓器掻っ捌いてやがるんだぜ!?知ってたか?」
「!?…義兄さん、何をっ…」
「子供が臓器をっ…!?」
警察署内がざわつく。
「クロノスローン…今まで政治家とのパイプがあって俺たち警察も手を出せなかったけど……子供にそんな事させてるだなんて」
「ヒーローを集めろ!クロノスローンへ乗り込むぞ!!」
警察の上層部がクロノスローンへ乗り込む事を決断した。
「今そんなことしたら友夏がっ…」
「そう思うなら自分で止めてきたらどうだ?ツバクロー?」
ケラケラ笑う義兄さんを見て私ははらわたが煮えくりかえる思いだった。
「…っくそ!」
警察署を出てクロノスローンへ先回りしようとしたその時…
「ツバクローっ!」
「…君は、エンデヴァーの…」
エンデヴァーの息子とその友人達がいた。
「ツバクローさん!友夏ちゃんのことで何かあったんですか?」
そばかす顔の地味めな男の子が私にそう聞いてきた。
「……友夏は、クロノスローンの社長の養子になってて跡取り兼解体屋として人の臓器を抜き取ってヴィランに精通する闇医者に臓器を売る仕事をしてた。」
「えっ…」
「そんな…」
金髪に黒メッシュの子と赤毛の子とそばかす顔の地味めな子…
3人ともとても驚いた顔をしている。
「嘘だろ…」
エンデヴァーの息子は絞り出すような声でそういった。