第3章 あの夏の日の男の子
お父さんは日常的にイライラすることがあると私を出来損ないだと言って殴る。
私が小学2年生になった夏のある日
うちに荷物を届けにきた宅配便の人がお父さんに殴られてる私を見て110番通報をした。
すぐに来た警察にお父さんが取り押さえられそうになったけど、抵抗するお父さんに警察だけでは歯が立たず警察はNo.2ヒーローのエンデヴァーを呼んでお父さんは御用になった。
「エンデヴァー助かりましたありがとうございます!」
警察官の1人がエンデヴァーにお礼を言う。
「大した事はしてない。早くその男を連れてけ」
エンデヴァーは素っ気ない態度でそう答えてお父さんを警察に引き渡した。
『待って!私が悪いの!私がご飯美味しく作れなかったから悪いのっ!!だからお父さんを連れてかないでっ!!』
私はエンデヴァーの足にしがみついて懇願した。
「……なぜこいつを庇う?こいつがお前に何したか分かってるのか?」
『分かってるけど、お父さんを連れて行かないで!大事な家族なのっ!!私にはお父さんしかいないの』
「あのね、友夏ちゃん連れてかないでって言われても今日はお父さんにお話を聞かなきゃいけないから…ね?
ちょっと警察署に来てお話聞いたら今日はお父さんをちゃんとお家に返すから」
警察の人がそう言って私を宥めてきて私も徐々に落ち着きを取り戻した。
「それより、エンデヴァー…この子どうしましょう?この興奮状態の父親と一緒に連れてってもまた父親が何するかわかりませんし……」
「ここに置いてけばいいだろう、連れてく必要がない」
私はとっさにエンデヴァーの足にしがみつく手に力を入れた。
『お願い…1人にしないでっ……1人は嫌だよぉ…』