第2章 最悪の再会
中也の異能力【汚れつちまつた悲しみに】によって私の躰は壁に押し付けられた。
背中と頭から勢いよく打ち付けられた為に頭がグワングワンする。
苦しい
「手前は!俺の気持ちを知ってながら!!」
意識を失う1歩手前で異能が解かれる。
私は過呼吸ぎみに陥っていた。
脳が酸素を求めている。
「今だって俺は…」
クシャッとなる中也の顔に女々しい声。
そう。私は
中也の気持ちに気づいていながらも、組織と彼を
裏切ったのだ。
私は齢5つで森さんに拾われ、育てられた。
その時には物心も着いており、良い事と悪い事の区別ぐらいついていた。
あの日あの時……
母親が裏路地で"ここで待っててね"と言ったっきり戻ってこなかったことを今でも鮮明に覚えている。幼かった私には自分が捨てられたのだと理解できていなかった。
森さんには裏社会で生きるノウハウを教えて貰い、人を殺める方法までも身につけされた。
戦闘を渋っていた私に最初は書類処理を与えてくれた。そちらの方が私には合っていて、数年後には書類処理の才が開いていた。
私は黒には染まりきらなかった。
否、そもそもがポートマフィアには向いてなどいなかった。