第2章 最悪の再会
カツン…カツン……
遠くから人の歩いてくる音が響き、徐々にこの部屋に近づいて来るのがわかった。
音は一人分だ。
私は即座に目を閉じ、未だ眠っているふりをした。
その足音は私の目の前で止まり
「ちっ、未だ寝ていやがる…」
そう息を吐く男の声……
その声にゾッと悪寒がした
その瞬間
「狸寝入りでもしてるてもりかぁ?バレバレなんだよ!」
何でバレて_____!?
胸ぐらを掴まれ、上を向かされる。
「ちゅ…や」
私の消え入るような声に中也は笑みを浮かべる。
「久しぶりの再会じゃねぇか。んな怖ぇ顔を すんなよ。」
嬉しくもない再会に心が苦しんだ。
「なぁ、何で手前まで居なくなっちまったんだよ。」
真っ直ぐな瞳が私を捉えて離さない
「中也だって、分かってるでしょ?私は完全には黒になれなかった事。だから、だから…」
「太宰に誘いに乗ったってか?」
うん。の代わりに首を縦に1度頷く
その瞬間、私自身が壁にめり込むのが分かった。
中也の異能だ。