第3章 プラマイゼロ ＊ 宮地清志

すると、胸元に置いた手を乱暴に捕らえられ、服の上から掬うように胸を揉まれる。



「あんま、煽んな。」



そのまま唇を押し付けられ、舌で口をこじ開けられる。

舌先同士をチロチロと絡め、清志からも荒く息が漏れる。


それに興奮して、はしたないと思いながらも自分から舌を絡めにいく。



『んぅ…、っはぁ。』

「んっ、可愛い。」



清志とのキスに集中していると、服の裾から手が差し込まれる。

背中に回された手がプツリとホックを外したことで、下着が不自然に浮いたのが分かった。


ちゅっ、と音を立てて唇が離れていったが、余韻に浸る暇もなくシャツに手が掛けられ、キャミソールや下着と一緒に全部脱がされて、シーツのサラリとした感触を直接肌に感じる。


少しヒンヤリとしていて熱くなった肌にはちょうどよかった。



「いい眺め。…すげぇエロい。」



上半身を晒している私を見下ろす清志は、まるでこれから獲物を捕食するかのようにペロリと唇を舌でなぞった。


情欲と色気を含んだ双眼に捉えられただけなのに、再び覗かせた赤い舌やその雰囲気にあてられて、微かに肌が栗立つ。



『……っ。』



鎖骨から肩、胸元。

わざと音を立てながら、順番に口付けが落とされていく。

そして胸の膨らみに手を添えると、既に勃ち上がっていた突起をくるくると円を描くように転がす。


たったそれだけなのに、触れられているところからジワリと快感が生まれて反射的に声が漏れそうになる。



『んんっ、…あっ。』



でも、それを許さないとばかりにぬるりと這う柔らかな舌の感触。

突起を弄る指先も動きを止めることはなく、同時に責められたことで思わず声が漏れてしまう。