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【黒バス R18】甘く溶けて

第3章 プラマイゼロ * 宮地清志





「何か買うのか?」



やっぱりこの時間に食べるのはやめとこうかな…。

でもかなり惹かれるし、今買っておいて明日にでも食べようかな。

一人で葛藤していると、買えばいいだろ、その言葉とともに手の中からシュークリームが消える。



「お、これうまそーじゃん。俺これにしよ。」

『え…?』

「何?買わねぇの?」



棚からプリンを一つ取り私から奪ったシュークリームと一緒に持ってレジに向かう清志を慌てて追えば、振り向きざまにそう言われて少し悩む。


もしここで買わなければ、この後家に帰ってプリンを食べる清志を見ることになるわけで。


いま我慢しても次の誘惑に勝てるか分からない。



『…買う。』

「だろ?買ってやるよ。」

『ありがと。』

「どーいたしまして。」



私の手から奪い取って買ってくれるそのスムーズな仕草に、ニッと笑うその無邪気な笑顔に、心臓がドキッと跳ねる。


長い付き合いにも関わらず、こうして些細なことで翻弄してくる清志は本当にズルイ。

本人にそう言ってもきっと笑うだけだから言わないけどさ。


ガサガサとビニール袋を鳴らしながら家へと帰り、早速袋から買ったばかりのプリンとシュークリームを出して机に並べる。



「もう食うのか?」

『時間経つと罪悪感増すから、今のうちに。』

「ハハッ、何だそれ。まぁ、いいけどよ。」



笑いつつも私の横に腰を下ろした清志の前にプリンを置き、シュークリームの包装をビリッと破いた。




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