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【黒バス R18】甘く溶けて

第3章 プラマイゼロ * 宮地清志





『あー!美味しかった。』



暖簾をくぐり抜けて外に出ると今までの油っぽい空気から一変して、夜独特の済んだ空気が肌を撫でる。



「お前、あんだけで足りるのか?」

『逆に清志はよくあんなに食べられるね。』

「そうか?こんなもんだろ。」



久しぶりに一日中一緒に過ごせた今日。

夕食も作るつもりだったけど、清志がラーメン食いてぇ、って言うから一瞬でラーメンの気分になってしまいオシャレとは程遠い近所のラーメン屋さんにやってきた。

ちゅるりと啜るラーメンは久しぶりに食べると美味しくて、ついつい食べ過ぎてしまった。


清志は少な過ぎと言うけど、あれは罠だ。

清志は基本的に私に甘い。


それは恋人のそれというより、もはや父親に似たものを感じるくらいだ。


なんてくだらない事を考えながら膨らんだお腹を撫でた。




「ちょっとコンビニ寄っていいか?」

『何か買うの?』

「漫画。気になってるのだけ読む。」



あぁ、今日は週刊誌の発売日だっけ。

清志の発言でそれに気づき、二人揃ってコンビニへと足を向ける。


早速、雑誌コーナーで立ち読みを始めた清志を尻目に店内をぶらぶら歩いていれば、ふと目に留まった美味しそうなスイーツ。


何も買う予定はなかったのに、美味しそうな物が並んでいると欲しくなるのは何故だろう。


ましてや今ラーメンをお腹に入れたばかりなのに…。



いや、だから甘いものが欲しくなるのか?



なんて自問自答しながら一つ手に取った。





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