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【黒バス R18】甘く溶けて

第2章 俺だけを見て * 緑間真太郎




特に会話もなくただ帰路を二人で辿る。

意外と近い二人の距離に少しドキドキする。


「…一花。」

『なに?』

「高尾と何を話していた。」

『えっ?』


歩くたび触れ合う指にもどかしさを感じながら歩いていると、突然真太郎が話し出す。


「今日の自主練習の時、楽しそうに話していただろう。」

『そう、かな?』


人気のないところで立ち止まり、私を見下ろす真太郎。


「あまり簡単に触れさせるな。」


そしてふわりと抱きしめられる。


『緑間君…?』

「真太郎だ。」

『真太郎…。』

「不安になるのだよ。あまり他の男に優しい顔をするな。」


真太郎の吐息が首にかかってくすぐったい。


『相談してたの、高尾君に。』

「何をだ。」

『真太郎が全然構ってくれないって。』


素直にそう言葉にすると少しバツの悪そうな顔をして目を逸らす。


『手繋ぎたいとか、くっつきたいとか思ってるの私だけなのかもって不安になってた。』

「…すまない。」


ぎゅっと背中に回された腕の力が強められ、真太郎の胸に顔をうずめる。


「俺にとって一花は何よりも大切なものなんだ。俺だってお前と触れ合いたい。だが…、」

『…なに?』

「お前を壊さないか怖かった。もしも欲が止められなかったら…、一花を壊しかねない。」


なんだ。そんなことだったんだ。

真太郎から漏れた本音になんだか安心した私は、アハハと笑ってしまった。




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