第2章 俺だけを見て * 緑間真太郎
「何を笑っているのだよ。」
『なんだか嬉しくって、真太郎がそんな風に思っててくれたなんて。…ねぇ、真太郎。』
何だ、と私を見つめる真太郎の首に手を回し引き寄せて、優しくキスをする。
真太郎の微かな動揺が唇から伝わってきたが、お構いなしに形の良い唇に吸い付く。
「一花、突然何なのだよ…!」
『私はこういう事したいって思ってる。真太郎は?』
「そういうのは男から言うべきなのだよ。」
『なら言って?』
意地悪なこと言ってる自覚はある。
それでも、真太郎の口から聞きたかった。
暗くてよく見えないけど、微かに顔を赤く染めた真太郎の喉仏が上下するのが見える。
「…一花。」
『なぁに?』
「…お前が欲しい。」