第1章 俺を愛して《観音坂 独歩》
.
「…もしもし、素羅です」
『ああ、もしもし。
良かった、繋がらなかったから何かあったかと思ったよ』
「いえ、いつも通り独歩が少し荒れてただけです」
『そう、独歩くんなんだけど最近元気がないから
家での調子はどうかと思って…』
「んー、いつも通り、ですけど…」
『そうか、ならいいんだ。ありがとう』
「はい、失礼します」
いつも通りの、寂雷先生の電話。
独歩、元気ないのか…
確かに言われてみれば、前に比べて
独歩が荒れる頻度が増えた気がする…?
独歩、今日は帰ってくるかな。
.