第2章 呑み込んだ言葉は渦の中《夢野 幻太郎》
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「はー、釣れないですね、貴女は」
そう言って、簡単に服を脱がされる。
簡単な前戯、挿入、で、終わり。
いつもならそうだ。けど。
「ちょ、っ、夢野先生…ん♡」
「どうしました?」
「な、んで…今日、ぁ、」
「たまには、ね。
声を聞きたい時もあるんですよ」
そう言っていつもなら慣らして終わりの
前戯も、私の反応をじっくり見ながら行われる。
指、長い。
悔しい事に良いところに届いてしまう。
そして、それが顔に出ていた様で
夢野先生はにっこりと笑ってソコばかり責める。
「ココが好きなんですね。
何回も身体を重ねてるのに
知らない事もあるものですねぇ」
「…あ、ぁっ♡ん、ん゛ん♡♡」
「おや…気持ちよかったですか?」
そう言って私を撫でる。
今日に限って、とても優しい。
人は、やましい事があると優しくなる。
昔、誰かから聞いた言葉だ。
浮気したり、悪いと思ったりすると
パートナーに申し訳ないと思いそうなるそうだ。
聞いた当時は本に使えると思って
覚えていたけど。
なんで今、思い出したんだろう。
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