第1章 俺を愛して《観音坂 独歩》
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………頭がボーっとする。
原因は分かっている、ウイスキーだ。
美味しくて調子に乗って
ストレートでガブガブと飲んでしまった。
ビールやカクテルを飲むのとは訳が違う。
「酔っ払った?叶、顔真っ赤」
独歩に言われたくない。
でも独歩は顔が赤くなってもボーっと
する事がない。飲もうと思えばココに
ある酒全て無くなると思う。
「————ぅ、っふ」
「っは、叶、かわいい」
酔っ払って、キスされてふわふわする。
こういう時のキスは気持ちがいいものだ。
服に入ってくる手。
簡単に脱がされる服。
正直、されるがままである。
首筋に落とされる口づけ。
たまに噛まれ、それすらも気持ちがいい。
ヂッと音が聞こえたから
きっとキスマークが付いたのだろう。
服から隠れるところだといいな。
そんな他人事の様に頭の片隅で考える。
「———ねえ、先生に電話したでしょ」
低い、ドスの効いた声が聞こえた。
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