第2章 4月1日[畑 だいちぃ]
「いやー頑張った!」
「うん、そうだね見た目はあれだけど頑張ったからね。」
そう、見た目は最悪である。
男は不器用って本当なんだね。
「あ、もうちょっとで日越えますよ。」
「じゃあ俺呼んで来ます。」
ちゃんにはHAP2号室に待機してもらっていた。
2階へ上がり編集部屋のドアを開ける。
「うお、びっくりした。」
女性らしくないちゃんのリアクションにはもう慣れた。
「事務所来て!」
はーい、と緩く返事をし立ち上がる。
もう恒例になってきた2号室待機で誕生日の祝いとわかっているちゃんの顔はは少しわくわくしているように見える。
ちゃん、喜んでくれるかな。
1号室2階へ上がる。
「え、暗くない?」
怖、と呟きながらもドンドン上がって行く。
2階へ到着し、電気が付く。
そこには巨大クラッカーを持ったみんなが並ぶ。
「誕生日おめでとうございまーす!」
ドォーンと言う予想以上に大きいクラッカーの音と共におめでとうと伝える。
「うおっビックリしたー、あっありがとうございます。」
驚きながらも少し照れて話すちゃん。
「実はスペシャルゲストが居ます!」
なんかデジャブを感じるはじめの発言。
ちゃんもそう思ったらしくて
「だいち君の時と言ってること一緒。」とつっこむ。
まあまあ、とちゃんを落ち着かせる。
「スペシャルゲストはこちらです!どうぞ!」
扉をバァンと開けて勢いよく出てきたのは
「須田ァ!」
後輩須田。
勢いに乗ってさっきと同じ巨大クラッカーを射つ。
「誕生日おめでとうございます!」
ちゃんは不意打ちで固まっていた。
「.....心臓に悪いよ、ありがとう。」
ぎこちない笑顔で須田の頭を撫でた。
「須田!ずるい!ちゃん俺も撫でてェ!」
すかさず反応した。
「俺も俺も」とはじめ,けんすけ,たなっち。
ようへいくんとともたかは苦笑いで見てた。
「うるせぇ!俺が先だ!」
「お前ら全員うるせぇよ。」
頭に撫でる手じゃなくてチョップが飛んできた。
「いてぇ!」
うわっはは!と笑う彼女に俺も笑みがこぼれた。