第5章 あなたのためなら
「なんだこれ…」
「おい…なんか体が軽くねェか?」
「きらきらしててすごい綺麗だったな~。リン、今何をしたの?」
シャチとペンギンは顔を見合わせ、ベポは不思議そうにリンを見つめる。
「今のは“癒しの森”っていうので、薬草の力で癒す力を持ってるの。」
「それでキャプテンがこんな早く回復した訳か…。」
「でも、キャプテンに使った時のは今よりももっと強い光だったよ。やっぱり強い力を使うと体力もそれなりに消費するの?」
壁にもたれていたローがぴくり、と反応する。
自分のせいでリンの体力を使ってしまったなんて聞いたら、ローなら罪悪感を感じてしまうだろう。
(まぁ、そんな優しいとこがいいんだけどね。)
誰よりも優しくて、世界一の医者。
リンは少し俯き、微笑んだ。
「もちろんそうよ。使う力は消費する体力に比例する。でも、私の体力の源は水だから、昨日消費した体力はもう回復しているわ。たくさん水を飲んだもの。」
「そうか~、リンも悪魔の実の能力者だったんだな。いつ頃食べたんだ?」
いつ頃?
そういえば、私はいつからこの悪魔の実の力を使えるんだろう。
どこで食べた?
どこで見つけた?拾った?貰った?奪った?
―――記憶がない。