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花吹雪の様に。《ONE PIECE》

第5章 あなたのためなら


「…どうした」
「“どうした”じゃないの…!もう、心配したんだから…」

ローは大丈夫なのだろうか。
私の使った能力はあくまでも“癒す力”。
これ以上ローに無理をさせて、身体に負担をかける訳にはいかない。


「体調はどうなの?熱はもうない?いつもと変わらない?大丈夫?」
私はローの帽子を少し上にあげ、おでこにぺたっと手を当てる。

(っていうか、背高すぎ!)
低身長の私は、背伸びをしてやっとローのおでこにすこ〜し手が届いただけなのだ。

「別にもう何ともねェよ。…ちょっと聞くが、俺は何日間寝てたんだ。」
ローはふいっと顔を逸らした。
(無駄に触っちゃったの、嫌だったかな。)
私は慌てて手を離す。

「う〜んどうだろ、1日とちょっとくらいかな?」
ローは医者だ。
私はローが世界一の医者だと思う。

これだけ早く回復したら、きっとおかしいと思われるだろう。
予想通り、ローは驚いた顔をし、少し考え込んだ。



“完全なる医者の顔!!”




だめだ…。こんな1つ1つの表情の変化にも胸が高鳴ってしまう。

「…おめェ、何をした。」
「えっ…とね、能力使っちゃったんだけど…ほら、私の能力、癒すことくらいしかできないし?」
私はにこっと微笑んだ。



ずきん。




まただ。
胸に何かが刺さったような痛みが走る。
ローには、もう何個嘘をついてしまったのだろうか。

私の能力は癒しだけ?そんな嘘をついてどうするというのか。
そういえば、まだクルー達には私の能力のことすら伝えていない。


「ローにはいつも助けて貰ってばっかだね。ありがとう…。」

タイムリミットはあと1週間くらいだろうか。
だから最後に―――。


「ねぇロー?」
私はずっとローを抱いていた手を離そうとした。



「…!?」














いきなり、離そうとした手を引っ張られる。
私はそのままローと唇を合わせた。
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