第4章 タイムリミット
「おいリン!!」
俺の呼びかけには誰も応えない。
船はシンと静まり返っている。
「くそ…“Room”
リンの身に何か起きてないだろうか。
焦りにより汗が垂れる。
…“スキャン”」
「キャプテン…リンは…」
「向こうの船にいるみてェだ。」
とりあえず誘拐された訳ではないらしい。
“シャンブルズ”
そう言おうとしたその時。
「あれ、ロー?早かったのね。おかえ…」
この声は―――。
「何があったんだ、説明しろ!このでけェ船は誰んだ!!」
「な、何があったって…別に何もないわ。」
リンがスッと俺から目を反らした気がした。
何故かズキンと胸が痛む。
「じゃあこれは誰がやったんだ。」
おれは、船の甲板に倒れている奴らを指差した。
倒れている彼らには傷1つついていない。
ただ者ができる事ではない。
悪魔の実の能力者か…。
一体誰が……。
「それは……と、通りすがりの人に助けてもらったの。そんなことより、ほらこれ見て!すごい宝の量でしょ!!」
リンは笑顔で袋一杯の宝を見せてくる。
俺が黙ったままでいると、リンは少し顔を歪めて俯いた。
なんでそんな顔をする?
リンを傷付けたい訳ではない。
そんな顔をさせたい訳でもない。
なァリン。
まだ俺達が、俺が信用できねェか?
おめェ……
何を隠しているんだ…?