第4章 タイムリミット
まだあの人達の仲間が生きていたのだろうか。
私は後ろを振り向き、声の主に手をかざす。
「おいおい焦るなって。おれはアイツらの仲間じゃねェよ。おれは…」
名乗る…かと思いきや、
その男はばたんと大きな音を立てて倒れた。
え?
嘘でしょう?
(もしかしてこの人…死んだ!?!?)
「ねぇ、ちょっと!」
思わず心配になり、
私は必死にその男を揺り動かした。
「…ん?あァ。わりィわりィ。寝ちまうの、これおれの癖。おれはポートガス・D・エース。」
「よかった生きてたのね…」
さっきの人達とは服装も違うし、どうやら悪い人ではなさそうだ。
私は向けていた手を降ろした。
「お前の名はなんだ。そいえば、さっきの奴ら1人で倒しただろ?何か特別な力持ってんのか?」
「私はリン。“プラプラの実”の能力者よ。エースも能力者なの?」
私はエースの為に紅茶とカップケーキの用意をした。
「おれは“メラメラの実”の能力者だ。この船なんか襲われてるからよ、助けてやろうかと思ったらリン強ェんだなァ。アイツら1発で仕留めたもんな……おっ、なんだこれ!!うめェ!!!」
エースは次々に皿からカップケーキを取り、口に運んでいる。
なんといい食べっぷりだろうか。
「ほんと!?私が作ったものだから口に合うか不安だったんだけど…よかった!」
リンは嬉しさに動かされ、反射的に微笑んだ。
ローは甘いものが嫌いだから、
いくらお菓子作りをしてもなかなか味見をしてくれる人がいないのだ。
エースはとても面白く、優しい人だ。
話しやすく、私も警戒心なんてどこかへ溶けていった。
「おれの弟はすげェんだ。ルフィっつー奴なんだけどよ、アイツも悪魔の実の能力者なんだ。“ゴムゴムの実”っていうやつを食べたんだってよ。」
「エースはルフィくんが大好きなのね。私も会ってみたいなぁ。」
そして、あっという間に時間は過ぎていった。