第4章 タイムリミット
「……っ…何者だコイツは…!!」
その海賊団は有り得ないという目でこちらを見ている。
そう、私の手から出たツルは、しっかりと大砲をキャッチしていた。
「ずっと使ってなかったからなぁ。鈍った腕を元に戻すのにはいっか…。」
私が軽くため息をついたその時。
「お、お、お頭っ!コイツ、ただモンじゃねェ!この女は、“森の妖精”…1億5000万ベリーの賞金首だ!」
「なにィ!?1億5000万だと?バカ言え勘違いにも程があるわ!!」
「ほんとだぜお頭!手配書に書いてあるんだ!」
一気に海賊船が騒がしくなった。何かあったのだろうか。
「まァいい。賞金首だろうがなんだろうがどうでもいいことだ!人数を考えればこっちの勝ちだ!野郎共、あの女1匹取り押さえろ!!」
『うわァー!!!!!』
諦めの悪い人達だ。
いくら人数が多くたって動けなくすれば全く意味の無いことだ。
私は座ったままこっちへ次々とくる海賊に手を向ける。
「“大樹”」
リンの手から出たツルは海賊達全員をひとつなぎにし、縛り上げた。
「大丈夫よ、今楽にしてあげるわ……“ドレイン”」
私が手をかざしたままそう言うと、彼らの水分がツルを伝って私に染み込んだ。
「今この船は私が守るわ…ごめんね海賊さん達。ごちそうさまでした」
海賊達は、カラカラに乾いていた。
ひと仕事が終わり、ふぅ、と息をついたその時…
「へぇ…お前、見かけによらず強いんだな。」
後ろから呟くような声が聞こえた。