第4章 タイムリミット
「キャプテン〜?ちょっといい?」
「ああ。」
この声はベポだろう。次の島についての話だろうか。
「次はサンディ島か?」
「え?ああ、そうだよ。」
アラバスタ王国がある島か。
(リンがドラム島の時みたいに迷子にならないようにしねェとな。)
そういえば、リンはあの時なんで泣いていたのだろうか。
本当に迷子になってただけなのか?
「…ねぇキャプテン。今……何考えてた?」
「は?…いや、なんも考えてねェよ。」
ベポとは長い付き合いのせいか、何かを察したのだろうか。
まぁだからといって“リンのことを考えてました”なんて言えやしない。
「じゃあ質問を変えるけど、誰のこと考えてた?」
俺も考えたくてリンのことを考える訳ではない。
どうしても、思わず、といったところだろうか。
いつの間にかリンのことを考えている。
何故かリンの顔が思い浮かぶ。
何故だ?
「ねぇキャプテン。本当は分かってるんじゃないの?……リンのこと、どう思ってるの?」
最近リンが変わった気がする。
普通に話してても、たまに寂しそうな目をする。
そのうち、どこかへ行ってしまう気がする。
「はァ…シロクマのくせに生意気に語りやがって。」
「生意気なシロクマですみません…。」
全く、相変わらず打たれの弱いクマだ。
「まぁでも、なんか…ありがとな。」
欲しいものは全部奪ってきた。
分からないことも全部明らかにしてきた。
リン。
お前の全てを知りたい。