第2章 ハートの海賊団
(俺は何を話してんだ…)
こんな話をされても反応に困るだろう。
今の夢があまりにも懐かしくて、悔しくて。
今頃“がんばれ”なんて言われたって、もう遅いのに。
もうコラさんを助けることはできない。
「コラさんっていう人が、なんでローを助けたのかとか私には分からないわ。でも――」
リンは俺の頭を優しく撫でていた。
「私は今、ローが居てくれて嬉しい。ローがいなかったら私は昨日死んでたかもしれない。ローと出会えたのも、その人がローを生かしてくれたからよね。だから、コラさんには感謝してる。」
リンはそう言って微笑んだ。
リンの体から伝わる温かみが、
頭を撫でている手が、
俺を癒していくのが分かった。