第2章 ハートの海賊団
「あっ!キャプテン、リン〜!」
部屋を出ると、ベポがこちらに向かって手を振っている。
「キャプテン!リンが作った飯うめェっス!!」
「女の子のご飯はやっぱうめェ…」
「そういえば、昨日たくさん飲んだ筈なんだけど二日酔いじゃないんだよ俺」
「僕もなんだ!みんな酒に強くなったのかな〜」
リンは一瞬ビクッとするが、嬉しくて微笑む。
(良かった…昨日の植物の力が効いていたみたい。)
まだみんなには私が悪魔の実の能力者だということを伝えていない。
いつかは伝えなければいけないが、なかなか言い出せないでいるのだ。
この右目の“秘密”も―――。
そんなことを考えていると、誰かに腕を引っ張られ、部屋に連れ込まれた。こんなことをするのは……
「ロー!なぁに?こんな所に連れ込んで…」
「おめェだろ。アイツらが二日酔いから逃れるようにしたのは」
そっか、ローには私が能力者ということも知られてるんだった……。
「えぇ、そうよ。」
ここは正直に言った方がいいだろう。
「昨日の夜のやつだな?」
昨日の夜発動した“癒しの森”。
私も初めて発動した技だったから、実は効いたかどうか不安だったのだ。
(ローに見られていたのか。)
「おめェの能力はそんなこともできるのか?」
「できるわ。」
植物を操る“植物人間”。
こんなことができるからこそ海軍に追いかけ回されるのだろう。