第2章 ハートの海賊団
「リン!!これ全部リンが作ったんスか!?」
「旨そ~う!!」
せめて何か手伝えないかと、私は朝食を作ったのだ。
「リン、キャプテンは?いつもは1番に起きてるんだけど。」
「キャプテンいつもは眠り浅いもんなー。俺起こしに……」
「あ~っ!!私起こしにいくよ!!!みんな先食べてて!!」
薬草のせいできっと安眠効果が出ているだろう。その力がバレる訳にはいかない。
「ロー?」
私が部屋に入ってもローはぐっすり寝ていた。
(効果効きすぎちゃったかな…)
私はローを揺らして起こす為にベッドに乗った。
「ロー?起き…」
ローは私をぎゅっと抱き締めた。
「ど、どうしたの…?」
薬草にこんな効果はなかったはずだけど…。
「…久しぶりに夢を見た。」
ローは私を抱き締める力を強くする。
「俺の…恩人が出てきたんだ。」
「コラさんは…俺の為に死んだ。なのに、今頃夢で出てこられても、もうあの人は生きてないのにな。」
ローは過去のことを話してくれた。そして今、夢で“がんばれ”と言ってくれたことも。
海賊のことは私には全く分からない。でも、ローがどれだけ辛いことを経験したのか、それは今伝わった。
私の過去は―――。