第2章 ハートの海賊団
「…ん」
私は差し込んだ朝日で目が覚めた。
時刻は4時。誰の声も聞こえないから、誰も起きてないのだろう。
そう考えて隣を見ると―――
「ろ、ロー!?!?」
(そっか、ここで、ローの部屋で寝ることになってたんだ。てか帽子取ってる…ちょっとだけ…)
少し癖のある髪を見ていると、無性に触りたくなってしまった。
(うわぁ…ふわふわ…。帽子もふわふわ…)
「…俺のこの帽子を取ったところを見たんなら、お前のその眼帯の下も見せてくれねェとなァ。」
寝ているはずのローの手が私の眼帯に伸びる。
「ひゃぁっ!!か、“かのこ草”っ!」
ローに手を当てそう叫ぶと、かのこ草の藁のような香りが漂った。
と思った途端、ローは眠りに落ちた。
“お前のその眼帯の下も見せてくれねェとなァ。”
眼帯の下…か。
見せる訳にはいかない。
決して…
誰にも―――。
「ロー、ごめん。気持ち良く寝てね。」
私はクスッと笑い、静かに部屋を出た。