第2章 ハートの海賊団
船にそっと手を当てると、木と蔓で船の天辺まで続くはしごが組み立てられた。
「よっ…と」
もうすぐ10時になる。そろそろ(嫌だけど!すごく嫌だけど!)ローの部屋に行って寝なければならない。
けれどその前に―――。
上から見ると、皆酔いつぶれて気持ち良さそうに眠っている。二日酔いを防ぐため、私にできることをしたかった。
「二日酔いに“カモミール”か…“ハイビスカス”かな。後は安眠効果に…“かのこ草”を。」
私は静かに目を閉じる。
今日は色んなことがあった。
この人達がいてくれたからこそ、今私は生きてられてるんだわ。
「……“癒しの森”…!!」
船全体が透明の、緑色のドームに包まれた。
かと思うと、一人一人に金色の星屑のようなものが降りかかった。
「こんな私を、受け入れてくれて…ありがとう。」